彼女は自分が仲間と運営していたサークル会員の一人で何年か一緒に行動していた。
知識や行動力がずば抜けているうえに、笑顔が絶えない人で、
私を含む主催者の手が届かないところまでフォローをしてもらっていた。
しかし、団体で行動しているときとは違い、
いざ、二人きりになったときに話が続かないという人だった。
理由はいくつか思い当たるが、簡単にまとめれば、
お互いに認めている部分はあっただろうけど、どこかしら疑ってしまう部分が
あったのだろうなと今となっては思う。人というのは難しい。
2年半前に一身上の理由で運営から手を引いたこともあり、彼女と連絡を
とることも消息をしることも全くなかった。普通に元気でいるだろうと思っていたので
思い出すことも全くなかった。訃報が入ったのもサークルの仲間を
二人通してのことである。そういう意味では薄いつながりである。
それでも一緒に笑って一緒に感動した仲間が突然いなくなるというのは、衝撃が大きいうえに
めずらしくない病気という形で失ってしまうのは、
自分たちの後ろにも「それ」がひそんでいるのではないかという暗い何かが覆いかぶさってくる。
若い頃にはおそらくなかった暗さであり、重さである。
その暗さや重さについて考える。
20代のころは光の向こう側にある「未来」に突き進んでいた。
突き進む自分には将来への不安という影がまとわりついていたけど
しかし、30代後半という時期に足を踏み入れるとその光は弱まり
まとわりついてくるのは不安という影ではなく、「老い」という現実である。
それに立ち向かえる武器を今はまだもてていない。
そんなへタレな自分であるけど、立ち向かうことなく人生を終えてしまった
彼女の分まで生きて戦っていければ此れ幸いと思う。
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