ああ、残念だ。
まず、君の言うとおり、成果をあげている人間は限られている。
だからといって成果を上げていない人間をクビにする必要はない。なぜなら、その成果をあげている人間は、同じ組織の成果を上げていない人間によって支えられているからだ。二割の働きアリを避けたって、残ったうちの二割がまた怠けるんだよ。
だから、成果を上げていない人間をクビにする必要はない。日本では、雇われているという事実だけがあればよい。「雇用者ムラ」に属していれば社会通念上認められているので、ニートがどうこう言うぐらいなら成果が出ていなくても労働したほうがよいのである。
しかしこの事実をニートは認めることができない。社内で成果を上げていない人間より俺を雇えよ、と吠えたところで、社内ニート>超えられない壁>ニートは確定事項なのだから。
社内ニートはもちろんニートがいるおかげで雇われたままでいられる。ニートが仮に皆自殺したとすれば、ますます消費は冷え込み、社内ニートがニートに転落するだろう。そして、また成果を上げていない社内ニートが誕生するのである。
ベーシックインカムを導入するということは、ニートをニートのままにさせるということであり、それは基本的人権の尊重とは程遠い。
では、ベーシックインカムを導入しないなら、ニートの生存権が侵害されているか?答えはNOだ。
経済的に自立できていないことと、人権が侵害されていることは、イコールではない。
ニートはこれまでどおり親のすねをかじり、親が死ねば生活保護を受給すればいい。
それだけでいいのだ。たった、それだけで。
ベーカムの議論は、人権よりもむしろ効率性に重きが置かれていると思ったのだが。