2010-08-02

魔の鋼球

1ヶ月ほど前からパチンコを打ち始めた。

もともとは会社の同僚に誘われて、試しに打ってみたらビギナーラックで6万ほど勝ったのがきっかけだった。

それから財布とホールとの間で十数万円のやり取りがあって、トータルでは数千円ほどプラスとなっていた。

収支表をつけており、分別はわきまえているつもりだったが

どこかで「大当たりを出したい」「楽に稼ぎたい」という考えがあったのだろう。

なまじっか収支でプラスになっていた分、根拠のない自信が生まれていた。

今日は平日だったが仕事休みだった為、朝からホールに行ってみた。

たまたま手持ちが無かったのでカードローンで4万円を下ろした。

出ているシマを選び、カド番に座って打つこと1時間

出ない。

うそろそろ出てもいいはずなのに、出ない。

禁煙中だったがおもむろにタバコ缶コーヒーを買い、吸っては打ち続けた。

最後は500回転ハマリを2回繰り返し、3時間で4万円負けた。

なんで・・・?

思考が止まる。

ホールから退場するときの心にぽっかりと穴があいた感覚は忘れられない。

突然、妙に息苦しくなってきた。気持ちが悪い。思わず持っていたタバコライターを投げ捨てた。

過呼吸に近い状態になり、目の焦点が定まらないまま車に乗り込み、何とか家に帰る。

来週のクレジットカード決済の残高が足りないことを思い出した。

貯金を切り崩せば返済できるが、「パチンコ借金作ったので貯金を返済に充てます」

なんて妻には口が裂けても言えない。まして自分の親なんて論外だ。

借金して博打を打って、しかも3時間で4万円負けたという事実が重く圧し掛かる。

借金の4万円、どうやって捻出しよう…。

オークションで手持ちのものを売るしかなさそうだ。

幸いにも単価が高い小物が幾つかあったため、売れば4万円ぐらいにはなりそうだ。

そんなことを考え始めたら突然、胃がよじれる感覚に襲われる。

脂汗がだらだらと流れ落ち、30分以上も餌付く。どうやら胃をやられたようだった。

トイレに何度も駆け込んだ。嘔吐するも、朝から食事を殆ど摂っていなかったため胃液しか出なかった。

胃薬を飲んでも横になっても一向に回復する気配は見えず、

その間ずっと胃がよじれる感覚嘔吐感に脂汗を出しながら必死に耐えた。心身ともに死にそうだった。

12時間経過した今、やっと回復しつつある。

4万円の代償に得たものは「パチンコは負ける、そして身を滅ぼす」という苦い教訓だ。

パチンカーの皆さんには「たかが4万だろう」と言われそうだが、

俺が汗水たらして稼いだ数十時間残業代が、たった3時間で飛ぶ。こんな馬鹿な話があるか。

貧乏人はパチンコなんて打つべきではないのだ。

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