2010-07-16

会社で働くということ

私が会社を辞めた理由は、同僚の女の子一言がきっかけだった。

育児休暇とれるのに、利用しないなんて勿体ないよね。休暇終わったら辞めちゃおうかな。」

私が居た会社は結構大手企業子会社で、福利厚生はかなり立派だった。

世の流れに乗って育児休暇制度も何年か前に設けられた。

出産した女性は1年間の休暇と、満額ではないがお給料も出る。

制度自体はすばらしいと思うし、これが社員出産するきっかけになればいいと思っていた。

元々その女の子は「利用できるものは利用しなきゃ損」というスタンスの子で、

銀行員の彼との結婚から出産まで、見事とも言える段取りステップで同僚から一歩抜きん出ていた。

たまに強欲ともとれる言動があることもあり、私は正直すぎる彼女をちょっと苦手に思っていた。

彼女育児休暇に入ってしばらくした後、

友人主催イベント彼女も招かれていたので久しぶりに会って少し話した。

利用できるものは何でも利用しなきゃ。

暇なときは友達のお店でアルバイトしてたりしたんだよ。

会社に戻る気ないんだよねー。

育児休暇取れるから辞めなかったんだ。

そういった内容の話を得意げにしていたと思う。

何のために会社で働いているんだろう、そう思った。

当時私は人一倍稼いでいたし、グループ内では稼ぎ頭のほうだった。

月毎のノルマもあったし、会社としてやっていくために

一人がどれくらい稼がないといけないか、そういうことを考えながらやっていた。

私はこの子を食わすために働いているのか、と、その時漠然とそう思った。

会社ってそういうものなのだ。

勿論育児休暇をとるのにまわりに恐縮する必要なんてないし、

堂々と子育てをしてほしいと思う。

ただ、副業禁止の会社で、休暇前から就業時間中にアルバイト先のチラシを作り、

制度を利用した後は辞めると公言されて、さすがにあきれてしまった。

現場に復帰して欲しいが故の休暇じゃないのだろうか。

ただ、せめてそういうことは黙っておいてほしかった。

ああ、やっぱり会社ってそういうものなのか。

利用した方が勝ちなのだ。

私はそのまま会社に残るメリットを見いだせず、退職して今はフリーで働いている。

福利厚生はないにせよ自分だけを養えばいいので、いまはとてもこころが軽い。

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