「どうしてこんな風に育ったんだろう。お前は小さいころ、おしゃべりで全然人見知りしない子だったのに。
三つ子の魂百までって言葉もあるのに。どうしてだろうね。」
母は覚えていないのだ。
そのとおり、おしゃべりで生意気なことばかり言っていた保育園児の私に、ことあるごとに「子どもらしくなくて全然かわいくない。こういう子どもは嫌いだ。」と繰り返し言っていたことを。
同じ年のいとこがいる。
いとこは活発で無邪気な「子どもらしい子ども」だった。母は私以上にいとこを可愛がっているように見えた。
「この子は私が小さいころにそっくり。」…ああそうか。
「母は本当はいとこみたいな娘がほしかったんだろうな。私じゃなくて。」とずっと考えていた。
地味でおとなしくて自分に自信がない。人前でじょうずにしゃべれない。何をしても自分の欠点ばかり見える。人並みにできない。
たとえできていても、自分ではできていない気がする。
でもどうしたらいいのだろう、と思うんです。