■この週末のうちに
この週末のうちに、僕はひとつ歳を重ねる。
誕生日と言うもののいったいどこがおめでたいのか幼少のころからまるでわからなかったが、一年に一度ちょっとだけ特別扱いされる日があっても悪くないと最近は思う。
会社の後輩に声をかけさりげなく伝えておめでとうの言葉をかけてもらおうかと画策するも何もできず、そもそもそんなに親しくもなく、そんな意味もわからない「おめでとう」をもらえずさびしがっている自分がひどく表面的なことで心を痛めているように思えて、気にも留めなかったころに比べて世間に妥協したか毒されたか俗っぽくなった根性につけてもまた情けなくなるのである。
ツイートシェア