過去の重大な事件について議論していると、必ず「歴史にifはないのですよ」と、いかにも知った顔をしたかのように書き込む人がいる。そして、その人にどう反論しても「歴史にifはない、というのが歴史学の定説ですから、あなたの意見は認められません」というような趣旨のことを言われて、こちらが不合理な主張をしているかのように非難される。意味がわからない。
「歴史にifはない」を認めるならば、反省できないじゃないか。歴史から学べないじゃないか。「もし、これこれこうだったら惨劇や戦争を防げたかも知れない」と思うから、そうならないように、社会の仕組みを変えていくんじゃないの?例えば、阪神大震災後に、「もし建築基準法のここがこうだったら、もう少し被害が少なかったんじゃないか」と思ったから、建築基準法が改正された。でも、それで、本当に被害が少なくてすんだかどうかは分からないわけだ。「歴史にifはない」と声高に主張する人たちは、「仮定の話を考えていたらキリがないから対策を考えない方がよかった」というのだろうか。意味がわからない。