2010-02-28

もうすぐ地獄のような夜間から解放される

家が貧乏予備校に通えず、参考書もまともに買えなかった。

バイトもしなきゃいけないから受験勉強時間も取れず、国立を狙うのは厳しい。

だから、私立でも学費の安い夜間大学に行くことにした。

俺は軽い気持ちでその選択をした。それを今はとてつもなく後悔している。

もう一年、いや何年でもいいからお金を貯めて最初から私立の昼間に行けばよかった。この夜間に行った経験は一生の傷として残るだろう。

俺はまったくもって楽観視していた。夜間に通おうとも普通に昼間のサークルに入り、遊べると思っていた。しかし、それは大きな間違いだった。

夜間の人間は、隔離されている。昼間の学生と接することはほとんどない。サークルもすべて別々。昼間の人間と遊べはしない。奴らは俺らが寂しく授業を受けている時に飲み会へと繰り出す。

夜間は昼間のようにちゃらちゃらとできないし、遊ぶ時間を作るのも難しい。授業数が少ないにも関わらず、取得しなければいけない単位は同じなので、月曜から土曜まで毎日学校に通わなければいけない。サボるのもままならない。昼間の人間のように適当に手を抜いて遊ぶことができない。

夜間の人間はまるで遊べず、毎日欠かさず授業にでなければいけない。そんな辛い生活を強いられても夜間は昼間よりも低く見られる。

昼間の学生は俺らのことを同じ人間だと思ってはいない。昼間の学生同士では会話する時は活き活きとしてんのに、俺たち二部を見るときだけ濁った深海魚の目で見下してくんだよ、あいつら。

俺たちはそんな、これからお手軽にセックスする予定の男女とすれ違いながら授業へと向かわなければいけない。昼間の学生はあの男も、あの男も、みんな適当に後輩を口説いてセックスをしている。夜間は女から見向きもされない。相手にされていない。本当に本当に辛かった。発狂するかと思った。夜の闇にそびえ立つ校舎が深夜病棟に見えた。

だが、もうそんな地獄からは解放される。俺ももうすぐ、何も考えずそこら辺の女とセックスしあうような、昼間の学生と同じキャンパスライフが送れるようになる。これからは毎日が楽しく過ごせるはずだ。もうこんな思いはしたくない。

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