2010-02-26

好き


 好きだって伝えたつもりだったのに、ぜんぜん伝わっていなくて。

 それで伝えたつもりになって、つらかったら、ごめん。

 ぼくは知が先に立ってしまって淡泊に見えて、感情に流されるのを嫌うから、それで冷たいように見えたのかもしれない。

 でも、君のことは好き。

 ずっと好き。これからもずっと好きだと思う。

 ヒステリックになっているときも、ネガティブになっているときも、泣き言を言っているときも、めいわくだなんて、えんりょなんてすることはないから、ぎゅっと包み込んであげたいから、一緒に泣こう?

 でも、そんなに悲観しないで。

 世の中って、結構いいところだよ。

 きみからのメールが途絶えて、それで、なんとかして会えないかなって思って、ずっと休日の予定は書いておくことにしたんだけど気づいた?

 そこへ行けば絶対に会えるような、気に入って貰えるような場所を選んで、ずっと。

 それでずっと探していた。

 その場所へ行くたびに、この人かな、違うかもしれないなって。

 そんな風にきみかもしれないを沢山集めて、どこで会っているのだろうと思っていた。

 でも一番始めの、大きな駅ですれ違いざまに恋する眼差しを向けてきた、それがきみじゃないかって、ずっと思っていた。あまりにも唐突だったし、ぼくが分かるとは思えなかったから、正直確信がなかった。

 会えるかもしれないって想いながら出かけて、会えなかったかもしれないと落胆した。

 でも、それは楽しかったからいい。

 そんなことをしていたら、ずっときみかもしれないをやるようになってしまった。

 きみ以外に好きな人なんて、いるはずない。

 だってずっときみのことを考えているもの。

 電車の中だって、道を歩いていたって、仕事をしても、家に帰っても。

 どうしたら会えるのかな、どうしたら楽しいかなって。

 食事は夜景のいいところがいいなんて、そんなことを言われたらどうしよう、もし品川にいたら、新幹線に乗って熱海へ行こうよ、だなんて、なんのためらいもなく、きみの喜びそうなことをなんでもしてしまいそうで、正直怖くなる。

 熱海夜景を見せたくなる。

 おいしいものを食べたくなる。

 きみがにこっとでも笑ってくれれば、それでいい。

 きみの声が聞きたくて、きみの姿が見たくて、きみと一緒に歩きたくて、ずっと想像をしていた。

 でも、あの一瞬のかわした眼差ししかぼくにはなくて、すぐに昔の記憶に残るひとりの女の子に切り替わってしまう。それがとてもつらい。だから会いたいって、ずっとずっと探していた。

 きみのこと大切にするから。

 ずっと大事にするから。

 どうしたらいいのだろう。

 それがわからない。

 こんな事かいてもどうにもならないのに。

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