小学校のころ。担任がうまく喋れず、授業やHRがよく止まった。
怒ると彼の吃りは顕著になるので、威厳もなかった。
ナメてかかった生徒たちは、影で彼のモノマネをして笑った。
その遊びが度を越したとき、その先生不在のもとで学年集会が開かれた。
隣のクラスの先生が「○○先生は歯の手術をしたあとで話しづらいだけなので、真似してはいけません」と説明した。
「手術って、何年間あの喋り方なんだよ」と生徒たちは間に受けなかった。卒業まで遊びは続いた。
今思うと、彼は吃音症だったに違いない。
知識がなかったとは言え、影で他の生徒と同じように笑った自分を恥ずかしく、先生に申し訳なく思う。
吃音を抱えながら教師になったあの人は立派だと思う。また会って話したいなあ。