2010-02-05

耳を食まれる夢をみた

今朝、耳を食まれる夢をみた。

相手は、高校時代の部活の友人だった。同性の。

度重なる寒波からか体が重く、何度となく目が覚めては寝直して…を繰り返していた。

幸い休日であるし、この天候と道路状況では外出もままならないということで惰眠を享受していた時だ。

確か右耳だった。誠に残念ながら現実でそういった経験はない、が、

おそらく私は右耳よりも左耳のほうが敏感であるような気がするのだけど、夢にそういった不確定な情報は同期されないらしい。

それで、うん、「噛む」よりは「食む」といったほうが近い。甘噛みよりもやわらかく、もどかしくすらなりそうな感触だった。

最大の疑問。なぜ、彼女が、私の、耳を?

詳しい状況はこう。今の部屋とは違う見慣れないレイアウトの明るい部屋で私は目覚めた。

ベッドから半身を起こし寝ぼけまなこで部屋を見回すと、ベッドより一段ひくい場所にひかれた布団の上に、彼女はいた。

気づくと私は彼女の佇む布団のほうに移動しており、寝転んでいた。

まるで子猫がじゃれあうかのように私たちは手を足を絡め、クスクス笑い合いながら寄り添い寝転がった。


あったかい、きもちいい。しあわせだなあ。

そんな気持ちで目を細め、言葉も交わさずそのまま寝転んでいると、ふと顔の右脇であったかい空気を感じて、

次の瞬間食まれた。

その間は同性の、親友までは近くない友人に噛まれていることを忘れ、私はされるがままになっていた。

ああ、そういえばこの夢の中ではそういう現実にあまり立ち返っていなかったかも知れない。

だんだん右耳への刺激に慣れ、もっと強く「そう」してほしいなあ、なんて考えつつも主張はできないでいた時、

彼女の唇が右耳から離れ、かすかに冷たい空気の移動を感じた。形容しがたい喪失感。

これ以上の進展はなく、夢は途切れた。


彼女とは高校入学の時に初めて知り合った。

部の中でも「一番の仲良し」ではなかったし、競技のペアでもない、ただの部員同士だ。

だけど私は彼女のことを好いていた。

女子コミュニティありがちな羨望や独占欲承認欲求の入り混じった友情はあったが、恋愛感情ではない、はず。

彼女は頭の回転が速く聞き上手な性格から先輩後輩からの人望も厚く、年上の彼氏もいた。

一方私はといえば、地味で人見知りで部活でも落ちこぼれ隠れオタクであり、

微妙に上位の成績とこじらせた中二の延長で「私の言葉を理解し反応できる人間は少ない」などと思い込んでいた。

これわかる人なんてそういないよな、というくだらん自意識のなか日常的にネタの撒き餌だけは怠らずにいると、

彼女は打てば響くタイミングリアクションをくれたり、歯を見せて笑ってくれた。

ときには思い悩んでいる私や他の子に辛口ながら的確なアドバイスをくれる頼もしさもあった。

人前では口に出せないが、友人として私は彼女が大好きで、常に反応を気にしていた。


とはいえなぜ、よりにもよって彼女でこんな性的な夢を見てしまったんだろう。

きっと誰かに話したら深層心理だ願望だなんて茶化されるのが関の山

非モテこじらせ過ぎてついに同性に走る予告か、なんてこともないだろうに。大体同性にすらもてる気がしない。



ただ、もう一度同じ夢をみれるのなら、今度は左耳を、もっときつく食んでほしい。彼女に。

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