「最近、ぜんぜん愛されているってきがしないんですけど!」
そんなメールがケータイに入ったのは年末のことで、朝方に深夜のメールを読んでためいきをつく。なんなら毎朝30分早起きをして、出勤前のカフェで話してもいいのだけどと思いはするのだが、そのスケジュールが守れないのは彼女の方だった。
(朝デートが禁じられるときついよね)
ふとんから立ち上がり、歯を磨く。
季節は、正月休みを間近に控えていて、お互いに実家に帰る。その正月休みを前に、しこりを残すのは避けたかった。
愛されていないといわれるのは心外だったし、どう考えてもぼくの人生のロードマップは彼女との日々で毎日が塗り固められていたし、断られない限り、なんでもしたかった。
ぼくにたいする直接的なアクセスを許されているのは彼女だけだったし、できれば、そのアクセスは正当で正確なルートでお願いしたいのだけど、あなたね、どんだけ高い人を動かしていると思っているのと、それぐらいはいいたくなる。
でもそれは、個人的な関係にはまったく関係なく、たくさん破壊したいものはあるのだけど、彼女はどう思うのだろう?
目を合わし、そこに生じている生体反応を見れば、どうすれば、恋愛関係に陥れるかなんか、すさまじく簡単なこと。それがわからないのだねえ。