理系大学生でやる実験でも、研究室にて行うような実験でない限り、教授が既にプロットを考え済みであるものが多い。
そして、そのプロットをなぞる様に最低限の測定しか行わない。
時間、費用は有限だし、学生は大量にいるのだから致し方ない話だ。
一方学生は自由に実験を行いたいと願っている。レポートの観点で考えても、自由に行える実験の方が深く考察できる。
私は、レポートが満足に書けないこともあってか、自由に実験出来ない学生実験は馬鹿馬鹿しいと思っていた。
しかし、宇宙に目をやると大きく話は変った。
衛星に乗せて、測定機器を宇宙に持っていくのもやっと。ちょっと離れた場所になると動かす命令でさえ覚束ない。
人が居ないところで測定する訳だから、測定だって最小限になる。
実験室とは人類にとって不自由な宇宙空間の一部で、学生実験とは衛星による最低限の測定の模擬である。
こうして、学生実験は経済的束縛から離れ、宇宙のロマンへと誘う舞台装置に変化してしまうのだ。
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こうした考えを自分で捻出しなくとも、
いい教授がふっと吹き込んでくれていたら、学生実験をもっと楽しめたのだと思う。
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