「お先に失礼しまーす」
いつも残業していくA子が今日は早く上がったので、「おや?」と美佐子は思った。どこかA子はうれしそうな表情をしていた気がしたのだ。資料を別の部署に届けに行くついでに、それとなく廊下を覗くと、A子は更衣室を出て化粧室に入っていくところだった。
「はは~ん。男だな?」
これからデートというわけか。
A子は、おせじにも美人とは言えない、化粧栄えもしない地味なタイプの女だったが、社内の男性からは何故か人気はあった。社内恋愛か? それとも外の男か? 明日A子に聞いてやろう。その日は、駅まで一緒に帰ったB子と、A子の相手がどんな男かという話題で盛り上がった。
次の日、A子の化粧に少し変化があることに気がついた。具体的には眉の書き方が違う。意外とやるんだな、と美佐子は思った。
そのA子の変化には社内の男性たちも気づいたようで、他部署からもA子に対して「可愛くなったね」とか「雰囲気変わったね」なんて声をかけにくる。その中には、営業の三宅さんもいた。三宅さんは、美佐子より1つ先輩で、三宅さんが外回りから帰って来た時を狙って自販機の前で待っていると必ず美佐子に声をかけてジュースを奢ってくれた、美佐子の憧れの存在でもあった。正直、美佐子はA子に嫉妬を覚えた。
「A子。昨日、この仕事やらないで帰ったよね。私がやっといたけど」
「ああ、ごめんなさい。ありがとうね、美佐子ちゃん」
「まあしょうがないよね。昨日はデートだったんでしょ?」
美佐子はわざと三宅さんにも聞こえるように言った。
「…う~ん。」
A子は少し困った顔になった。よし。でもA子は否定しない。三宅さんは少し驚いた顔をしていたが、「じゃあ、またね」といって部屋を出ていった。
「それで、相手はどんな人なのよ?」
http://anond.hatelabo.jp/20091111010438 湯船につかりながら、今日はなんか幸せな話が書きたいなと思った。 さっき見たリアルクローズを思い出して、結婚とか、恋愛とか、いいよね。 そうい...
幸せな方の視点で書きゃよかったろうよ。 あと小さい感想を言わせてもらうと、単語の選び方がすごくオッサン。
単語がオッサン…。意識したことなかった。 漢字が合ってるかどうかも、意識してなかったw ありがとう。参考になります。 人間が幸せになるのって時間がかかるものなんだよ。 A子...