高校時代、友達ができなかった。新学期の皆が知らない状態が過ぎても友達ができなかった。
周りには友達がいる人たちであふれているのに、友達を欲している僕には友達ができなかった。
そのまま2年になってしまった。2年生はもはや学校の中枢である。それでもやはり友達はできなかった。
3年生、友達を作るのをあきらめた。すでにそのころには変わり者の孤高の人の地位を手にしていた。
周りはあざ笑っていただろうが、僕はそこの地位にいるんだと固く信じてやまなかった。
ところがそんな僕にも友達ができた。それも一気に3人も友達ができた。5月のことだったと思う。
そのころの僕は周りを気にしなくなっていた。
似合っていないと陰口をたたかれようが、面と向かって言われようが茶髪にした。
奇異の目で見られようが、スクールかばんは何故か非常用の銀色のビニールの例のかばんを用いた。
誰になんと思われようが、何を言われようがどうでもよかった。もう気にしなかった。
そしたら突然こちらから向こうからともなく口を利くようになり友達になれた。
と、少なくとも僕は思った。勘違いでもイイや、別に気にしない。
一人の帰り道が急に華やいだ。これはからかわれているのか秘密結社の陰謀かとも思ったが結局はどちらでもなかった。
学校帰りにコンビニに行ったり、カラオケに行ったり、ボーリングにいったりした。初めてだった。
苦痛以外の何者でもなかった休み時間や昼休み。早く終われと願っていたそれは足りなくてしょうがなかった。
くだらない話をして、金曜日には前日のナイナイのオールナイトのネタで笑いあった。
毎年どこかのトイレに篭って小説を読んでいた体育祭も信じられないことに自ら進んで参加した。
体育祭もそれまでが嘘のように積極的に参加してた。当日は教室でギター弾いたり。
暗黒の高校時代かと思っていたけれど、友達を求めるのをやめたら友達ができた。
僕はいまだに友達を作るのが苦手だ。社会人になればなおさら。
学生時代の友達は良いものだと思う。でも無理して作る必要もない。
無理して作る友達は長続きしないし、第一つまらない。
予備校時代により所のために無理して作った友達の名前は覚えちゃいない。
あれば良いけど、なくても良い。そのぐらいが良いように思う。