2009-09-21

いわゆる「市場原理主義」「新自由主義」には実体が皆無。

ある論者は「働く人の暮らしよりも、お金を生み出す効率を優先するという新自由主義の考え方が行き着くところまで行っての大破局だ」と指摘しています。

しかし筆者は、「働く人の暮らしよりも効率が優先だ」という議論を聞いたことがありませんし、そのように主張する人に会ったこともありません。

 そもそも、働く人の暮らしを豊かにするためには、働く人1人当たりの平均付加価値生産性を高めなければなりません。そのためには効率化が必要で、最も有効な効率化の手段は、市場原理に基づくインセンティブを働かせることです。

つまり市場原理をできるだけ生かすことによって経済活動を効率的にしようとするのは、人々の暮らしを豊かにするためなのです。どちらがどちらかに優先するという話ではありません。

 要するに、今回の危機を契機として市場原理的な考え方を批判する人たちは、もともと存在しなかった主張を対象に批判を展開しているように思われます。

こうした批判が行き過ぎて、市場原理が本来持っている利点を発揮できないような社会になっていくと、それによって国民の福祉水準は低下してしまうだろうと思います。

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