いや,今の漫画がおもしろいとか,古いのと比べてどーたらこーたらということではない。
純粋に自分の問題だ。
20代の後半である。
昔から漫画を読むのが好きだった。
マンガ喫茶のパックを使って,長時間読みふけっていることが何よりも好きだった。
一つの長編の世界観にまるまるとひたっている時間は本当に幸せに感じた。
いろんな漫画を読んで,いろんな漫画の世界に飛び回るのは楽しかった。
けど,最近はそう思えない。
なんとなく,読むことが作業化している気がしている。
話題だから読まなくちゃとか,好きな作家の新作だから読まなくちゃとかでしか漫画を選んでいない自分がいる。
けど,結局の所,自分が10代の時に読んだドラゴンボールやスラムダンクやうしおととらのような感動にはなかなか巡り会わない。
原体験と,今では感動の量は違うこともわかっている。
悪い意味で目が肥えてきているのだろうかとも考えた。
いや,そうではない。
目が肥えるほど,漫画を語れるほど深化したわけでもない。
ただ単に慣れすぎて飽きているだけなんだと思う。
絵があり,コマがあり,ふきだしがあり,右上から左下に読み進んでいく,
その「行為」そのものが好きだったような気がする。
ジョギング好きな人がジョギングするのに理由なんてないように。
けど,今はその「行為」に飽きてきているし,
漫画を読むことで得る「感動」は原体験を超えられない。
でも,気付いたら習慣的にマンガ喫茶にいる。
唯一の趣味なのだ。
どうしたらいいんだろう。