2009-08-23

いや、安全弁はあるよ

http://anond.hatelabo.jp/20090822173104

初音ミクは何ひとつ安全装置のない状態で出荷されている。

そのことに気付いてしまったクリプトンは、あわててヤマハと協議をはじめたのだ。

そんなことはヤマハ&クリプトンはMEIKOのときから気づいているよ。

今のキャラクター・ボーカル・シリーズのとは違うけれど、MEIKOの契約書を見てみよう。

VOCALOID ソフトウェア / VOCALOID ライブラリ 使用許諾契約

http://www.crypton.co.jp/download/pdf/eula_CRV1.pdf

ソフトウェア使用許諾契約書

3. 合成音声の使用の制限

お客様が公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開や配布することはどのような方法であっても許されません。

お客様がライブラリの歌手本人だけでなく、第三者の人格権を侵害する合成音声を公開または配布することは許されません。

VOCALOID ライブラリ使用許諾契約書

D. 合成音声の使用に関する制限

(1) お客様が公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開又は配布する事は、いかなる場合においても禁じられています。本ライブラリの歌手本人に限らず、

第三者の人格権を侵害する合成音声を公開又は配布する事は禁じられています。

では、この禁止事項を行ってしまうと、どうなるのだろうか。

今度は現行の初音ミク契約書から見てみよう。

エンドユーザー使用許諾契約書

http://www.crypton.co.jp/download/pdf/eula_cv01.pdf

第5 条(本製品の権利及び譲渡禁止)

本製品に係る著作権及び著作隣接権その他の知的財産権は全て当社らに帰属し、著作権法その他の

知的財産権法によって保護されています。

(ユーザーは初音ミクに関してはなんの権利も持っていないことを宣言。)

第2条(使用許諾)

1.当社らは、お客様に対し、本契約の諸条件に従うことを条件として、本製品の使用を許諾します。

(ユーザーはヤマハとクリプトンにライセンス料を支払い、契約に従ってミクを使用できることを宣言)

3.お客様は、本契約の諸条件に従うことを条件として、お客様が生成した合成音声を商用/非

商用を問わず使用することができます。

(初音ミクは、契約の条件の中でしか使用できないことを宣言)

第4条(禁止事項)

本製品の使用にあたり、以下の各号の行為は禁止されています。

(1) お客様が公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開又は配布すること。

(2) 本製品の歌手(声優)本人に限らず、第三者の名誉・声望その他の人格権を侵害する合成音

声を公開又は配布すること。

(これらの行為は第2条に定めた使用許諾の範囲にないことを宣言)

初音ミクに関する一切の権利はヤマハとクリプトンにあるということは、

ヤマハとクリプトン以外の者がユーザーが初音ミクを使うことは、知的財産権の侵害になる。

ただし、ライセンス料を払った人間だけが、契約の条件内でミクを使える。

そして、たとえライセンスを受けた者であっても、契約の範囲外である行為を行えば、同じく知的財産権の侵害となる。

知的財産権は物権に類似する権利として、第三者に対する効力を有するから、これで充分安全弁になってる。

著作者人格権も、実演家の著作隣接権も、声の肖像権も、パブリシティ権もない

レコード製作者の権利を忘れてない?

記事への反応 -
  • もうなんか今更な感じもするが「白いクスリ」騒動。 いろんな関連記事なんかを読んで感じたのは、今回の動画はきっかけにすぎず、たまたま投稿者がパンドラの箱を開けてしまっただ...

    • http://anond.hatelabo.jp/20090822173104 初音ミクは何ひとつ安全装置のない状態で出荷されている。 そのことに気付いてしまったクリプトンは、あわててヤマハと協議をはじめたのだ。 そん...

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