先日、元バイト仲間と一緒に飲み会をした。
私(女)とA(男)、B(女)、C(男)の4人は、A以外は大体同じ時期にバイトを始め、
また同年齢で同学年。4人ともそれなりの頻度でバイトに入っていたので、同じシフトに入ることも多々あり、仲が良かった。
私がバイトを初めて1年経つ頃には、4人だけで日程を合わせて飲み会を何回か開いた。
バイト仲間を出来る限り集めて開く飲み会も楽しいけれど、4人だけでやる飲み会はまた別の楽しさがあった。
男2人、女2人で男女比が釣り合っているけれども、そのうちの誰かと誰かが付き合う、という発展はなかった。
私以外の3人は、バイトをしていた全ての時期において、大抵他のパートナーがいたからだ。
(誰にもパートナーがいなかった時期というのもあるかもしれないが、どの時期でも最低1人には恋人がいたように思う)
私たち4人の間には、友情以外の感情は成立しなかった。
しかし、バイトを初めて1年半くらい経つ頃から(もしかするとバイトを始めた頃からかもしれない)
私はAのことが「何となく」好きになっていた。好きだったと思う、と書くのが正しいのかもしれない。
強烈な感情はなかったように思う。同じシフトに入っていたらラッキー、と思ったり、
話が出来ると楽しいと感じる、そんな程度。でも確かに好きだった。多分恋をしていたと思う。
さりげないアピールをしたりもしたけれど、はっきりと告白することは決してなかった。
理由は3つ。
1.自分がAに釣り合う人間ではなかった
(Aは国立大に通い、私はしがない私立大に通っていた。
また、今でもそうだが、私はまだまだ人間的に未熟で、勉強不足だから恋愛をしたければ自分を磨き上げてから、と考えていた
Aは若干変だなと思う部分があるが、爽やかで素晴らしい人間であるので、色んな人から好かれている)
2.前述の通り、強烈に好きという感情が襲うことがなかった
(本当に何となく何となく好きだったのです、とても穏やかでした)
3.単に臆病者だったから
(これまで人と付き合った経験はなく、告白した経験もありません、断られるかと思うと恐ろしくて出来ません)
Aは誰かと別れて誰かと付き合った、Bに新しい彼氏が出来た、Cは博愛主義だとか、
そんな人の恋愛事情を傍らから聴きつつ、バイトの日々は過ぎていった。
前述の通り、私は告白はしなかったけれど、4人だけの飲み会の帰りとかに、それとなく好意を感じさせる言葉を、ぽつりぽつりと言っていた。
Aはそのどれにも気づかなかったようで、「お前の彼氏は大変そうだな」などと言われて凹んだときもあった。
バイト在籍中の最後の飲み会でも、結局何のアクションを起こすことなく、それぞれ新天地へと向かった。
とある日、Cから連絡が来た。盆だし飲み会でもしよう。
特に断る理由もなかったので行くことにした。ちなみにCは他県で働いていて、今年の盆は戻れないからパスとのこと。
私とAとBの3人での飲み会。嬉しくなかったと言われれば嘘になる。
集合場所には最初に私が到着して、その次にBが来た。Aは最終的に15分遅れで集合場所に来たのだが、
その15分の間に私は軽い衝撃を受けた。
昨年の暮れにそれまで付き合ってきた彼女と別れたAに、2月に新しく恋人が出来た。
その彼女とは、昨年12月に入ったバイトの後輩のDであると。
告げられた一瞬後から十数秒間は胸が痛んだが、1分経ったら痛みは取れた。
昔のことだ。それにDちゃんは可愛いし仕事も出来るいい子だ。よかったじゃないか。
で、告白はどっちからだったか知ってる?とBに訊ねる。
「Aからだって」の言葉にまた少しダメージ。そうかそうか、良かったね。
何もない振りをして、よくも隠し通せてるね、などと話していると、Aが来た。居酒屋に向かう。
居酒屋で飲み始める。お酒のせいで気分は高揚しているはずなのに、つまらない。
AもBも下ネタが好き。アルコールのせいでそういう話で盛り上がる。
私は人と付き合った経験がなく、そういう経験もないので完全に蚊帳の外。
AはDちゃんとの生々しい話をする。何回もホテルに行っているとか、お互いの家に遊びに行っているとか。
それがどうした。おいしい料理は進むけど、お酒は進まない。いつもは6,7杯は飲むのに、この日は3杯も飲めなかった。
この日、飲み会には男が1人、女が2人。渋々送り出したDちゃんがやっぱり嫉妬してAに電話を掛けてくる。
そういえば、とBがこんな話をした。
私はタロットを嗜んでいる。未来描写はともかく、過去描写に関しては友人間でそれなりに定評がある。
バイト先で催してくれた、送別会の時、私は酔った勢いでカードを取り出し(当時は持ち歩いていた)、Dちゃんを占った。
『この並びは、もう付き合ってる?それとも告白された?でも勢いで付き合うと痛い目あうかもね』
こんな結果だったという。その時期、DちゃんはAに告白された頃で、過去描写についてはドンピシャ。この結果にとても悩んでいたという。
悩みに悩んで悩みぬいて、Dちゃんには幸せそうな現在の状況がある。
言葉にならなかった。
なんてことない、大したことないと自分に言い聞かせているのに、一度思い出すと止まらない。
私は今、自分がどんな感情なのか分からない。
嬉しいのか悲しいのか、嫉妬しているのか安堵しているのか。
私はまだまだコドモで、今でも誰かと付き合うべきではないと考えている。
Dちゃんは本当に美人で、仕事の覚えも良かったし、優しい性格をしていた。
バイトの頃に知り合った2人がお互い好きあって付き合っているんだから、祝福するのが筋ってものだろう。
だけど、そうなればあの頃の自分の気持ちとは一体なんだったのだ。
そして、結局4人組の中には友情しか成立しなかった。そう考えると訳が分からなくなる。
いっそ、「私の気持ちはどうなるのよ」と、マンガの中の人物の通り、自分のエゴを相手にぶつけられたらすっきりするのに、
私は臆病者だからそれすらも出来ない。
それで、少しでも嫉妬している自分がいるのが本当に嫌だ。今度Dちゃんに逢ったら冷やかな目線で見てしまいそうで嫌だ。
叫びも出来ない。涙も出ない。わっと泣ければそれでも大分楽になれるのにそれも出来ない。何でだ。
少し時間を置けば、能天気な自分のことだから、すぐにどうでも良くなると思ったのに、
それが出来ない自分はどうしようもない……
気持ちの整理のために書きました。長々とごめんなさい。長文を読んでくれたならありがとうございます。
付き合えない後悔と、知り合いが選ばれたという悔しさが入り混じっているんだろうなぁ。 私は未熟だから、釣り合わないからと見えない誰かに言い訳するのもいいけれど 頼むから嫉...