友人には時々変な目になると言われる。
後輩には大人っぽくて落ち着いていて素敵といわれる。
同僚には上品かと思いきや意外な一面がありすぎて意外さがない、といわれる。
母親は、気が狂っていると叫ぶ。
時々笑いながら、目の前にいるお前を刺し殺したい。
その感触を思い浮かべている。どんな顔をしながら死んでゆくんだろうと思いながらほくそえんでいる。
何もかも、失ってしまいたい。何もかも、壊してしまいたい。
躁鬱を発症してから16年。破壊衝動自傷衝動他傷衝動過食拒食自殺衝動。
躁の時に通院日だと調子が良いとにっこりと笑って答える。医者が信じるほど、うまく、騙しきる。
鬱の時も誰にも気にかけてほしくないから、大丈夫だとにっこりと笑って答える。
本当はもっと躁も鬱も手に負えないほどひどいのに、それらすべて抑圧してまるでふつうの人間であるかのようにふるまう。ふるまえる。
それでも10歳の時の自分が時々あらわれて目の前で笑う。
笑いながらお前を刺したい。殺してしまいたい。