わたしは、うつだ。
一週間前、会社の上役に「君が休んでる間に他の子が徹夜で働いてるんだ」と言っていた。その通りだ。休んでるのに、お金が入るという仕組みはおかしい。
「医者の言う通りばかり聞いてて、やる気が感じられないんだよ。しがみ付く位のやる気を出してみろ。」
「別に死ぬってわけじゃないだろう?」
「時間が解決する?じゃあ、医者に3ヶ月で完全に治せるように言ってやれよ。」
彼のいうことはもっともだ。ただ解せないのは、わたしと彼の温度の差だった。わたしは黙ったまま聞いていた。時には頷き、「はい」「そうですね」と答えるしかなかった。感情はわかなかった。真っ白い紙に文字が書かれていくようだった。
空っぽだった。
帰る途中、大きな雲が太陽を覆っていた。何事もなく流れて行く現実しか見えなかった。
わたしは、言葉を失っていた。