そいつはお世辞にも性格がいいと言えず、医者の2代目であるため、医者になるというプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。
実際にいつも憂鬱そうだった。
そして、ストレス発散として、適当なところでどうでもいい女をナンパして、SEXで発散してるような奴だった。
そいつには好きというものがなく、嫌いかどうかで物事を決めてる奴だった。主体性がないと感じた。
おまえは本当に自分の意思で医者になりたいと思っているのか?と。
結局そいつは30代になっても未だに学生のままらしい。
それ以来、能力の優劣はあっても、好きなものがある奴はそれだけで人間として恵まれていると感じるようになった。
世の中には自分の好きなものも分からない可哀想な奴がいる。あのままでは生きていても楽しくないだろう。
願わくば、人生夢中になれるものを彼が見つけられるように願う。