2009-03-29

http://anond.hatelabo.jp/20090329190434

最後、ワープ航法を利用したのが良かった。

偶然なんとかなりました、より力をあわせて解決するほうがいい話になる。

映画見てないのでアレだけど。

それ違うんだよ。「偶然」に関して。

一般論的には正しいんだけど、ドラえもん「だけ」は違うといっていい。

どうしてか?

偶然に「納得度」(リアリティ)ともいう巧妙な伏線が張られてるからなんだよ。

例えば宇宙戦争。最後にスモールライトの効き目が不意に切れ、突然大きくなって大逆転が起こるわけだが、これ普通に考えたら「なんだこれ? そんなのアリかよ」になるわけだ。

ところがこの展開には重要伏線が張られていて、中盤、チータローション(かたずけラッカーだったかも)の効き目が切れることでピンチに追い込まれ、「いい加減な道具を出すな」と責められたドラえもんが抗弁して言う。「効き目が永遠に続くものなんてあるか! どんなものにだって効き目が切れる時はくるんだ!」

このやり取りがあるから、スモールライトの効き目が切れた時、読者は「あ!スモールライトの効き目が切れたんだ!そうか!これも切れるんだ!」と納得と興奮が同時にわき起こるわけ。頭の中で離れた情報が一つにつながる瞬間てすごい興奮だからね。それと物語の逆転の興奮をリンクさせてある。

さて宇宙開拓史に戻ると、タイム風呂敷偶然コア破壊装置にかぶさり、装置タイマーが逆転して間一髪!星は破壊を免れるわけだが、これに関してはオープニングのワンエピソードを見て欲しい。

どこか遠くの宇宙の見たこともない種類の機械を直そうとしたドラえもんが「無理」と宣言すると、のび太は言うわけだ。「この機械、壊れる前は壊れていなかったんだろ?」ドラえもん「何を当たり前のことを」のび太タイム風呂敷で」ドラえもん「あ!」

とこういうやり取りがあって、タイム風呂敷のことをどこかで読者が認識してるから、ラスト偶然が生んだ「前に戻る」という作用に納得感と興奮が生まれるわけだ。

藤子Fをなめちゃいけない。そんじょそこらの奴が改変してどうこうなるようなテキストではない。改変しようと思い立つ奴とは地肩が違うと言っていい。

記事への反応 -
  • 面白かった。 最後に映画館で見たのは15年前・・・夢幻三剣士か。 やっぱりドラえもんはいいなぁ。 モリーナはちょう微妙。 映画ドラえもん作品にはやっぱりヒロインは1人がいい...

    • 最後、ワープ航法を利用したのが良かった。 偶然なんとかなりました、より力をあわせて解決するほうがいい話になる。 映画見てないのでアレだけど。 それ違うんだよ。「偶然」...

      • 伊達にドラえもんファンを長年やっているわけではないので、それくらいのことは当然承知の上だよ。 原作を批判しているわけでは決してない。 ただし映画ドラえもんを情操教育の見...

    • 触発されてドラえもん論もしくは世代論を。 俺は31歳なんだが、この世代にもドラえもんというのは絶大な影響力があったわけだ。 ただここでいうドラえもんというのはマンガの方が...

      • 元増田っす。 反応ありがとう。 いや、原作は読んだよ。 ドラえもんが「頼るな自分でやれ」という状況はそこに危険がないときに限るはずだと思うんだ。 ギラーミンは容赦なく星の...

        • わかる。わかるけどまあ状況によるわねえ。 例えば宇宙小戦争なんかで、ドラえもん、のび太、ジャイアンの3人がレジスタンスと接触するために宇宙基地を離れ、 宇宙基地にはしずち...

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