2009-03-18

少年野球、9回ツーアウト。最後の打席に代打が告げられた。

その代打少年事故で片足をなくし、これが最後のバッターボックスだった。

松葉杖無しでバットを両手で握り、一本の足でよろめきながらもピッチャーをにらみつける。

第一球、空振り。バランスを崩した少年は、そのままバランスを崩して倒れた。

キャッチャー差し出す手を断り、バットを杖がわりにして

少年は砂まみれになりながらも立ち上がる。

二球目。少年ピッチャーのゆるいカーブに、食らいつくようにバットをあわせた。

ボールはてんてんと、三塁線へ。

走れ! 少年は片足で、飛び跳ねながら一生懸命一塁ベースを目指した。

三塁手は転がるボールを拾うが、投げられなかった。

みんな、そんな少年の姿に感動し、見入っていたんだ。

がんばれ、がんばれ! 叫びながら、涙する子もいた。

片足の少年は、泣きながらヘッドスライディング。

その涙は、苦しみからなのか、うれしさなのか、悔し涙なのか。

少年の手はベースに届かない。けれどもずりずりと這いながら一塁へ向かった。

もうちょっと、もうちょっと!

ベースのまわりには、子供たちが集まる。

そして、その指がチョコンと、ベースに触れた。

わっと湧き上がる歓声。片足の少年は涙をぬぐいゆっくりと立ち上がった。

顔も、ユニフォームも、どろどろだった。でも、とても輝いた顔をしていた。


そして、審判が言ったんだ。


    _、_

 ⊂( ,_ノ` )⊃ ファール

  (  )

 /   ヽ

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