人間関係って、むずかしい。
自分の何気ない一言が、知らず知らずに人を傷つけてしまう。
僕は初めて「デリカシーがない」と叱られた。ひどく落ち込んだ。
落ち込んだけど、その人は大切なことに気付かせてくれた。
僕はずっと1人だった。心配事を相談出来る相手など1人としていなかった。
友達は居たが、そこには壁があった。僕が踏みとどまって越えられなかった壁があった。
僕は怖かった。
「自分をさらけだしたら失望されるんじゃないだろうか。」
「友達ですら居られなくなるんじゃないだろうか。」
そんな心配事で結局、壁を越えられなかった。僕は臆病だった。
僕は1人でも生きていけると信じていた。
僕はバカだった。とんでもない大バカ野郎だった。
意地を張って何でも1人でやろうとした。
でも、1人でやり遂げても、いつも寂しかった。虚しかった。
そのうち僕は素直になれなくなっていた。
同情をかけられても振り払うようになっていた。
心にもない言葉だけがどんどん出てくるようなひねくれた人間になっていた。
周りから人が寄ってこなくなった。
ある日、こんな僕にもホントに友達と呼べる人が出来た。
僕を好いてくれる人が出来た。
1人でいた頃が嘘みたいに、毎日が楽しくなった。
でも僕はそんな人々にもデリカシーのない言葉を放ってしまった。
初めて僕は叱られた。叱ってくれる人がいた。
涙が出た。心からの涙が出た。こんなに自然に涙が出たのは初めてだった。
これからは素直になろう。素直になる努力をしよう。僕は決心した。
叱ってくれる人のためにも、これから出会う人のためにも、
そして周りに居てくれる人のためにも。
僕は素直になります。