こんな俺でもたまに調子に乗ったり、色気づくことがあり服を買いに行くことがあった。
しかし、だいたいどれを来ても似合わなかった。
背は低めで胴長短足でそこそこがっしりした体格のおかげで現代的若者的な服はことごとく似合わなかった。もしくは物理的に着られなかった(みなさん細いのね)。
そこで気持ちが折れて引き返す。
時がたち、体型に似合う服の知恵をすこしばかり仕入れ、ふたたび調子の波がやってきて再び店に赴くものの、やはり想像していたようには行かないのであった。
適当に妥協した服でとりあえずやり過ごした。
服飾品店にいくたびに心が少しずつ折れ傷つき、次第に足が遠のくようになった。
そこへ行って嫌な思いをする場所に行きたくない。
何度もこんな思いをするくらいなら、いっそあきらめた方が楽だ。
やってもやってもうまくいかない人がどういう軌跡をたどるのかを知った。
ところで、「似合わない」という価値判断は自己評価の低さに由来しているとも思った。
別にスタイルも良くはないのに、おしゃれでかっこいい印象の人はいるから。そういう人は大抵楽しげで自信がありそうだし。
しかし考察するのも疲れた。
色々ひっくるめて疲れた。
ただ、身だしなみって大事だと社会人になってから感じているし、ぼろぼろなのもいやなのでたぶんこれからも気をつけはする。
あきらめた方が楽だとかいたけれど、服装で今時の若者っぽく格好良くなろうとするのはあきらめたい。苦しいから。でも、好印象/悪印象ではない自分で無理ない服装はする。そういう風に気持ちがシフトしていったらいいなと思っている。