昨晩妹が死んだ。
元々、難病指定の疾患で長くは生きられないのはわかっていた。
それでも、一日一日を少しでも楽しく過ごそうと、
いつも笑顔の絶えない妹だった。
俺はイケメンでも無い、どちらかというと地味な感じの人間だったけど、
妹はよく懐いてくれた。
そんな妹を俺は確かに溺愛していた。
とても可愛くて、学生のころ(その頃は妹はまだ中学生だった)は、
バイトでお金が入ると、彼女の代わりとしてよくデートに連れてった。。あはは。。
よくついて来てくれたっけ。
そんな年齢だったのに、よく考えていた。
身内びいきじゃなく、まさに「薄幸の美少女」という言葉に当てはまる。
本当に病気だと知ったときは、
どうすればよいのかわからなかった。
翌日も夜まで号泣。
俺も、次の日の昼まで部屋から一歩も出れず、
布団に顔を突っ込んで、大声で泣いていたっけ。
でも、次の日の夜に、妹が言った。
「私、楽しく生きる。お父さんお母さん、そしてお兄ちゃん。
私、がんばって楽しく生きるから、一緒に楽しく過ごして!」
しばらくして俺は両親に、今年は留年するかもしれないけど、
それでも妹のそばにいて、一緒に遊んでやりたいと伝えた。
幸い、お金はそこそこある家庭だったので、
俺は妹を連れて、俺や妹がこれまで行きたいと思っていた場所を訪れた。
アジア、ヨーロッパ、北・南アメリカ、オセアニア、色々なところに行った。
親父やお袋も休暇が取れるたびに合流し、
皆で楽しく1年ほど、さまざまな場所で過ごした。
そして帰国後、妹は入院した。
本人も、両親も、俺も、全員もうその病院から元気で退院することはないと
うすうす気づいていたのかもしれない。
おれは復学し、(結局大学は休学扱いにした。事務処理が大変だったけど)
1日にあった出来事をすべて妹に伝える、、そんな毎日を過ごすようになった。
「へぇ??。お兄ちゃんそうなんだぁ。。それで、??はどうしたの?」
「今度の大会がんばってね。」
「??さんに、今度会ってみたいなぁ」
「誕生日おめでとう」
ごめん。。。もうかけない。
そんな妹が今日、死んだんだ。
どうすればよいのかわからない。
今はよく眠って下さい。