2008-12-25

じいちゃんと私と母と肉まん

コンビニ肉まんを買って食べてたら、じいちゃんを思い出した。

じいちゃんはけっこう馬鹿な人で、学校もマトモに出ていなくて、家族からも嫌われてたけど、共働きの両親に変わって私を育ててくれた。

だから私は大好きで、いっつもじいちゃんにべったりだった。

じいちゃんは私が学校から帰る時間に合わせて、井村屋肉まんを3個蒸して待ってくれていた。

肉まん三個は子供の私には多かったけど、じいちゃん大好きだったから全部残さず食べた。

じいちゃんは料理が得意じゃなかったから、肉まんも水分でべしょべしょで、でもあったかくて幸せな気持ちになった。

私が喜ぶとじいちゃんも喜んで、じいちゃんは毎日肉まん三個蒸してくれた。

色盲のじいちゃんは信号の赤と緑がわからなくて、外出とか危ないのに、毎日毎日肉まんを買いにスーパーに行っていた。

ある日、母がじいちゃんを叱った。

毎日毎日肉まん三個も体に悪いから、もうやめてくれと言った。

じいちゃんはちょっと泣いてた。

母はじいちゃんの実の娘だから、ずばずばキツイ事を言う。

私はすごく申し訳ない気持ちだったけれど、母は物凄く怖い人で、だから私も口答えが出来なかった。

14の時にじいちゃんはガンで死んでしまった。

母が棺にしがみついてわんわん泣いていた。

だから出棺もなかなか出来なかった。

私はびっくりするくらい冷静に石で棺に釘を打った。

その間も母は子供みたいにわんわん泣いていた。

骨になったじいちゃんを見て、また母はわんわん泣いた。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん