「猛丑破砕(ブルクラスタァァァ)!!!!」
その豪腕の力を全て解放し、腕に装備した手甲― 牛の角、それも魔獣級の猛牛の角でつくられた幻器 ―の力を全て解放した一撃。
「くっ!!」
俺だって今まで戦ってきた身だ。それ故に悟った。
―回避は不可能―
となれば生き残るには一つしか途は無い。
幸いにも俺の身体は頭が気づく前に動いてくれていた。
盾を展開している暇など無かった。
そもそも、俺の持っている盾ではいくつ解放しようとその攻撃の前では即霧散させられただろう。
つまり、俺が生き残る唯一の方法は―俺の持っている最強の幻器―草薙剣を開放すること。
「うああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
開放するだけで俺の”力”などほとんどが持ってかれてしまう。