ひとつ、うざい話を書く。
もう10年以上前のことだ。某大学に入学した1年生の俺は、桜咲くキャンパスでさっそく某部活の勧誘に誘われた。
勧誘の人に腕をひっぱられてついていった部室で、1年上の女性の先輩が俺を熱心に勧誘してくれた。
先輩はむちゃむちゃかわいかった。色が白くてかわいくてボーイッシュ。
俺は男子校出身で女性免疫0だったけど、下心を隠しつつ、彼女に憧れ入部した。
だけどしばらくして、その先輩には部活の仲で、先輩と同じ学年の彼がいることがわかった。ラテン系のイケメン。
その頃=年齢だった俺は非モテ意識が強くて、憧れるけど俺なんかとは釣り合わない、無理だわ、とは思っていた。辛かった。
その男の先輩とは学部が同じだったので仲が良かったので余計に辛かったかもしれない。
さて、1年経って2年になった。俺は相変わらず一人。
ところが、2年の春、ほどなくして彼女はひっそりと部活から退部した。
理由は、体が弱いから。でもそれは表向きの理由だよなと思っていた。先輩同士が別れたのだ。
だが、当時の俺(相変わらず=年齢)がそれにつけ込めるほどの力はない。
モチベーションを失った俺は、ほどなくして別の理由で退部した。
恋愛をするだけのスキルなどまるで持っていなかった俺は、精一杯できることとして、お互い退部してからも彼女とコンタクトをとり続けた。とはいっても、年に何回か、学内でばったり会って立ち話をする機会だけだが。
そんなごくごく遠い関係のままだったが、先輩彼女の卒業式では、彼女とたまたま会って(いや、俺が学内を探してたからかもしれないが)、記念写真を撮れた。彼女は袴だった。今はその写真はなくなっているが。
ここで、俺と彼女との知り合いとしての関係は終わる。もう10年前のことだ。
そして、時は数年流れてある日。
部屋の大掃除をしていると、彼女のメールアドレスを見つけた。どこかで交換したものだ。
当時は1-2回メールを交換したあと、ぱったりメール交換もなくなっている。そんなものだ。
だが俺は出来心で、そのメールアドレスから彼女のホームページを探し始めた。
当時のメールアドレスから、その人のHPスペースがある程度推測できた。
だが、当時SEになっていった俺は、彼女のHPスペースにある隠しページを見つけ出した。
俺は、その掲載内容をみて仰天する。
彼女はある作品に傾倒した腐女子だったのだ。(作品名は伏せる)
そんなふうには全く見えなかったが、、、
物書き系のページだったが、文学的なセンスがあり、非常に読める文章だった。腐女子としての彼女も輝いていた。
俺は、ハンドルネームを使って接触を試みた。全然知らない人として、年数回掲示板で受け答えをしていた。
キモいな俺。
最後の更新から1年近く経過した。掲示板にも全く書き込みはない。もちろん、ページも更新されない。
恐らく、彼女の生活に重大な変化が起こって、腐女子はやめたのだろう。
そう思った。
もうオンライン上でも会うことはなかろう。俺は、彼女のページのブックマークを消去した。
そして、時はさらに数年流れる。
ある時、また俺はふと出来心で彼女のページを開いた。ブックマークからは消えていたが、暗記するほどだったということだ。
なんと、彼女のページは復活していた。
俺はそこで彼女の結婚を知る。彼女は腐女子から貴腐人になっていた。
そこに書かれていた記事によると、当初は隠れだった腐趣味が旦那バレして、最早隠す必要がなくなったようだ。すっかりあけっぴろげに書いている。エロだらけ。
俺はがらがらと彼女のイメージが崩れると共に、なんだかもう笑ってしまった。
今俺が彼女と会ったらどうなるだろう。リアルでは、大学卒業から時が止まっている。
彼女は、たまに某腐系のonly即売会で売り子しているようだ。
俺の女性の知り合い(これもまたそれなりにオタ)をそそのかして、うまいこと即売会に行ってしまおうか。
だが腐趣味即売会で男とばったり会うほど向こうが迷惑なこともなかろう。まして、何年もヲチしてきたなどと知ったらどうなってしまうだろう。相手にとって、これほどキモいこともない。
そんな恐ろしくキモいことを考えつつ、まあそんな一方的で非現実的なことも起こりえてしまうんだな、と。
はー俺きもいきもい。あー10年ぶりにキモい考えを吐き出した。
私がその彼女だったら、ネット上の活動を一切停止してその日から怯えて暮らさなければ。 ほんとに怖いから、そっとしておいてあげて。