僕にだってそのくらいのことは解ってるんだ。ただ心がついてこない。馬鹿げた話だが。幸せはあるけど、線香花火みたいなもの。輝いては消え、輝いては消えを繰り返している。未だに恋人の名前を間違えそうになる。恋人の猫の名前を間違えそうになる(十分注意深くしているので間違えたことはない…)。前の恋人といた時はまるで 24時間晴れ渡った空のように輝いていた(実際は日焼けサロンみたいなものだったのかもしれないけどね)。
そのくらい幸せだったのだけど、今は振り返ってみると、彼女とおつきあいしていた数年間は無駄に思える。いや、その無駄に思える感覚が僕をどうしても、離さない理由かも。