■哀々傘
あの日の帰り道
通学路の塀に落書きがあった
相合傘だった
軟らかい石ではっきり書かれた
自分と好きな子の名前
その日までは
好きな子と通学してた
けどその日以来
落書きを見られたくなくて
泣き泣き断った
次の日相談した
仲良しの友達
その子めっちゃ笑ってた
なんで笑ってんの?
何か知ってるの?
顔面蒼白で
問い詰めた
犯人は
その友達だった
それ以来こわい
相合傘がこわい
好きだった子は
年々タラコになっていった
それでも好きだった
10年くらい好きだった
でも会話は
あれ以来できないまま
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