2008-09-12

「遠くに行く」=「死ぬ」と理解していた近所の幼稚園

大学進学のために上京するという事を、普段から家族ぐるみでつきあいのあった一家に報告しに行った。その家の娘(幼稚園児)は俺がやって来たと知ってテンション上がりまくっていたのだが、奥さんが「○○お兄ちゃんね、遠くに行っちゃうからバイバイしに来たのよー」と言うとその子は突然火が付いたように泣き始めた。そして全力で俺にしがみついて離れようとせず、「おにいちゃんしんじゃだめー!」と繰り返し叫び続けている。その声の大きさは隣のおばさんが心配して様子を見に来るほどだった。

奥さんの説明によると、この娘をかわいがっていた曾祖母が最近亡くなったそうで、奥さんが娘に「お婆ちゃんは遠い所に行ったのよー」と説明していたらしい。その後彼女なりに「死」を理解出来るようになったらしく、「遠い所に行く」=「死ぬ」という方程式が彼女脳内に形成されていたのだろう、と。とりあえず俺が死なない事を理解させるのに小一時間ほどかかり、上京後も手紙を書いたり電話したりする事を約束してようやく事態は収束した。

…というのが10年前の話。その話題を現在の当人に振ったら、顔を真っ赤にしながら「あーもうムカつくっ!ほんとに死んじゃえ!」と、あろうことか俺にローキックを食らわせてきた。しかし彼女は、自身が書いた俺宛の手紙が全て実家に保管されてある事をまだ知らないのであった。次は跳び蹴りが飛んできそうだな。楽しみだ(笑)。

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