結局は俺は大勢いる客の一人でしかなくて。
営業だって分かっているのに、勘違いをしていまいそうになる。
俺がいくら特別扱いしていたって、こっちを特別扱いしているのはお金を払っている間だけ。
俺がお金を出さなくなったら、会えなくなる。
大勢居る客の一人でしかないから、時間がたてば俺のことなんて忘れるだろう。
いや、今ですら記憶の片隅にもないだろう。
わかってはいるけれど辞められない。
冷静に考えれば、こんな関係のために大金を使ったのは馬鹿らしくなる。
しかし、一人で孤独で寂しくて誰かと話をしたいときがある。
その時に話をしてくれる人は俺の周りにはいない。
つかの間の楽しさのために、大金を払う。
だからそういう店は昔からあるし、今後も無くなることはない。 大丈夫だ。