女は男を立てるもんだ、それがいい女ってもんだ、と恥ずかしげもなく言う男と、女は男を立てるものよ、としたり顔で言う女の、共犯関係が、演歌のようで気持ち悪い。どちらかが主張するとどちらかが根拠になるというマッチポンプ的仕組み。男片一方だけだと単に「男尊女卑うぜえ」で終わるところを女が支えることで真っ当な主張だと勘違いさせるのがこの二人の仕事。世間のうだつの上がらないオッサンと細木和子の関係。しかしこの関係で変則的なのは、オッサンの主張が先にありきではなく、オッサンの隠れた願望を、細木が見抜いて主張したというところにある。オッサンは「細木和子は結構いいこといってるぞ?」等と肯定することでその隠れた安い自尊心を埋めることができて万々歳。細木和子は金が入って万々歳。なんと、WIN-WINの関係ではないか!宗教的である。WIN-WINなのはこの二者に限った話で、周りを見ればうんざりした、うっすらとその共犯関係を見抜いている若者達が呆れた顔でオッサンと細木を見てはいるのだが。
俺は若者だけど、ある程度男を立ててくれる女が好きだよ。
わたし女だけど、自分が尊敬できない男性は嫌よ。