先日、NTTスタッフとして常駐している某電気店で店内を巡回していると、無線LAN機器コーナーにて中国人女性二人組に呼び止められた。
彼女らの話すのは本当に拙い日本語ではあったが、問答の末ようやく「この二人は壁を隔てた二部屋でインターネットを使いたいのだ」ということが汲み取れた。
たまーにインターネットの契約などをすっとばして無線LANを買い求めに来る客が日本人にもいるので、
一応確認のため「インターネットのご契約はお済みですか」とまたも四苦八苦しながら尋ねると、どうやら案の定答えは「NO」であるらしい。
聞けば、居住物件には光回線は敷設できず、またADSLも引けるかどうかわからないと言われたらしい。
気の毒ではあったが、何にせよ契約すら済んでいない現状では自室でインターネットを使用する事はできない旨を彼女らに伝えた。
僕は伝えながら、しかし彼女らの言動が矛盾する事に気づいた。
インターネットのサービス提供エリア確認を済ませているという事は、彼女らは「インターネットを使用するには契約をしなければならない」という認識を持っていた、ということになる。
なのに何故未契約の、それどころか今後契約できる見込みも無い状態で無線LAN機器を購入しようとしているのか…?
そんなことを考えながら再々度言葉の壁をなんとか乗り越えた僕は、爽やかな笑みを顔に貼り付けつつ、店内の巡回に戻ろうとした…のだが、まだ彼女らは引き下がらない。
僕は先述の件がなんとなく気になることもあり、もう少し事情を詳しく聞いてみる事にした。
しかし彼女らは「ケーブル、ない、できますか?」と何度も繰り返すばかり。
「ええと…(無線ルータを指さしながら)この機械と、パソコンの間の、ケーブルは要らなくなりますよ」
と、改めて至極丁寧に僕が案内すると、僕の言葉を解した二人は、何故かキョトンした顔を見合わせた。
…この後の再々々度になる言葉の壁攻略は端折って結論から言ってしまうと、彼女らは隣室にあるインターネット環境を無線ルータで利用できないかと考えていたらしいのだ。
ワイアレスにしたかったのはルータ-PC間ではなく、モデム-ルータ間だったというわけだ。
そして彼女らはこう付け加えた。
「となりのひとが、(そうして自分達がネット環境を利用している事を)わかるのは、よくない」
つまり、自分達の部屋で今すぐネットが使えないので、隣室のネット回線を違法に無断借用しようとしたわけだ。
そしてあまつさえ、悪びれもせず電気店の店員である僕にその方法を教えてくれ、と宣ったのだ。
曲がりなりにも客からすれば店員の立場である僕は、そんなことを教えられるはずもない。
というかまあ、僕の知る限りではそんなことできないのだが。
それは違法な行為だ、それにこの機械ではできない、と伝えてなお「他に方法はないのか」と食い下がる二人に僕はもはや関心しながらも、
「隣人に了承を得るかインターネットの契約をするしかない」
の一点張りでなんとか諦めさせると、二人は肩を落として退店していった。
こうする以外に僕に何かが出来ようか、いや出来ない。
いやはや噂は承知していたが、やはりこうもストレートに食らわされると呆気にとられてしまうものだ。
何よりその二人というのが、普通の女性だったことが衝撃だった。
往々にしていわゆる"変な客"というのは日本人であれ外国人であれ、外見や仕草で大抵は見分けられる物だが、
その二人は話した印象も決して悪くなく、本当に本当にごく普通の女性だったのだ。
そのごく普通の女性が堂々と、違法行為のハウトゥを電気店員に尋ねるとは。
"向こう"の小売店で如何様な案内がなされているか。
そしてそれを許してしまう店に限らない彼の国のモラルの低さは、推して知るべしというものだろう。
北京五輪がつつがなく閉幕を迎える事をそっと祈る、日曜の昼下がりでありました。
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