いやね、嫁と「スカイ・クロラ」行ったわけですよ。昭島のMOVIXにね。
そしたら、となりが若い娘の二人連れでポップコーンとか食ってるわけですよ。
「押井映画見ながら物食うな」とチャーチルも言ってるでしょう。
もう、檄怒ですよ。
押井映画っていったら、それこそクラシック聞くようなもんで、物音ひとつ立てずに、咳払いも楽章間でしかしちゃいけんわけですよ。
すなわち、はじまったらさいごまで、まんじりともせず、まばたきひとつせずにいるべきなんですよ。
普段、クラシックのコンサートで、となりのオヤジが指揮したり、鼻歌うたっても気が弱くて、注意もできない私ですが、今日ばかりははじまってからもボリボリやりやがったら絶対注意するき満々でした。
でもね、始まったらのっけからの押井ワールドに、修行僧のような集中力が発動し、娘のボリ音なんか全く気になりませんでしたよ。
あっとういうまの2時間。
「イノセンス」と「立喰師列伝」でやりたいほうだいやったから、かなりわかりやすい話になってるし、ましてや、押井映画で泣くとは思いませんでした。
エンドロールがはじまる直前のシークエンスもすばらしく、最後の静寂は、まるでマーラーの交響曲第9番が終わったあとの永遠の寂寞のようで、私の頭の中に美しい「無の和音」を響かせていました。(すいません、意味不明で。つまり、劇場内、まさに水を打ったような静けさですた。)
ほんと、終演後は思わず拍手をしそうになったし、心から生きていてよかった、この映画を見れてよかったと思いました。
空はどこまでも蒼く、犬は可愛い。世はすべてこともなし。
あと、信者なら大丈夫だと思うけど、エンドロール終わるまで席たつなよ。
後悔するぞ。
付記
私は押井中道リベラル原理主義者なので、右派の人みたく、加瀬某がどうとか、菊池某の演技がどうとか、そういう瑣末なことでは怒らないのです。
私にとってこの映画は、完全無欠です。
いたいた、エンドロールが始まった瞬間に外出てった奴らが。 勿体ない。 それはともかく、隣の客からものすっげぇ据えたオイニーが。 空調の関係でふとした瞬間にこちらに漂ってく...