はじめ平坦に見えていた道が、暫く行くと険阻になり、最後には行き詰まる場合がある。
また最初は稔りの多い沃野であったものが、その先は果てしない砂漠に続いている場合もある。
それとは反対に初めは険阻な坂道であったものが峠を越えてみると平坦な大道が無限に前途に開けている場合もある。
もちろんこんな事が初めから分かっていれば誰も迷いはしない。
分からなければこそ迷うのであるが、概して言えばあまり甘い話には誘われないほうがよい。
大勢が行くからと言ってその方角に従ったところでよいとは限らない。
要は細く長く続きうる勉強の方法を選ぶがよい。
そして何処までも自分自身の判断で決定すれば、たとい予期の通りに行かないでも悔いは残らない。
(宮崎市定)