【チラ裏】鬱にあこがれてた話

2008-08-03

もう何年も前の話だが、当時付き合ってた美人で聡明な彼女が鬱病で通院を始めた。

この矛盾に満ちた現代社会でにこにこして生きていくなんて馬鹿にしかできないと思っていたので、ある程度の頭の人が鬱の洗礼を受けるのはむしろ当然であると思っていた。

同時に彼女のことをクールに感じてより愛おしく思った。頭がよくて細やかな神経を持っているから鬱になるのだと。鬱カッコイイ、俺も鬱にならなければと思った。

数年後、俺もそれっぽい症状で医者にかかるようになった。軽い鬱ですと言われて薬を飲み始めた。会社は半年間休職した。

あこがれていた鬱になれたので満足だが、やはりつらい。食欲も性欲もわかない。仕事にやる気も出ず、夜は眠れず朝は起きられない。無感動になり泣いたり笑ったりしなくなった。好きだったゲームや漫画を読んでも面白くなくて序盤でやめてしまう。人に会いたくない。何よりも嫁や友人の前で元気が出せないのがつらい。

もう鬱な自分は十分堪能したし、このままでは人生が不幸になってしまう。今はただ鬱を治したい。特にオチはないが終わり。