2008-06-09

宝箱

眠れない夜があって

それは今の私の安息で

麻痺してしまうといつか

暗い底にいつのまにか

落ちてゆくような気がして

眠れない夜があって

雲の上を歩くような

倖せの不条理に痛む私を

慰めるには瞳を閉じて

あの時はこう言ったね あの日には笑ったよね

ひとつひとつ大切に

思い出しては夢へと紡いで

確かめるように確かめるように

やさしい毛布を手探りで

辿った指の先に

ふと触れる肌

あなた

私の宝たちを入れる

宝箱になってください

全てを包み込んで守るように

いつか大切なものたち消えていっても

変わっていっても

空になってしまっても

私は宝箱を愛したい

宝よりも宝箱は永遠に近いでしょう

そして

慈しむために生まれた魂と

私は宝箱を愛したい

そして慈しむために生まれた魂を―

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