2008-04-27

幸せって案外身近なもの

8ヶ月前のある日、突然ふられた。付き合って1年半、ほぼ毎日会っていたのに、突然ふられた。一緒に生活するイメージがわかない、つまりは結婚が考えられないからということだった。

彼は仕事が出来ることよりも家庭的であることを望んでいたらしいが、私は仕事が大好きで、掃除は苦手だし、1年半の間に料理なんて数えるほどしかしなかった。それでもいいんだと思っていた。バレンタイン誕生日クリスマスケーキは、ご飯は、手作りより有名なレストラン、有名なパティシエの方がいいよね?美味しいでしょ?って本気で思っていた。記念日には、サプライズの花・プレゼント、それに夜景の綺麗なレストランを。何事もされて当たり前、だった。

でも、振られて初めて気づいた。私は思った以上に彼が好きで、思った以上に彼に対して怠惰だったようだ。そして、変わった。これまでも、いろんな別れはあったけど、今回ほど変わったことはない。いわゆる、失って初めて気づく大切さってやつだ。半年後、彼とよりを戻して今に至る。

今の私は、夜景の綺麗なレストランで、甘い言葉をささやきながら食事をするよりも、私の作った煮物を「ああ、うめぇ。」「最高に幸せだ。」と言って食べてくれる彼の顔を見ている方が幸せだし、炊き立ての白ご飯と味噌汁を一緒に笑いながら食べて始まる1日が何にもかなわない幸せと知った。部屋に飾る花を抱えて家に帰る道中はちょっとウキウキしている自分の「女」な部分にも出会った。朝、夜とかかってくる電話の中で、「いってらっしゃい。」「おかえりなさい。」「今日も1日お疲れ様。」と毎日伝えられることがこんなにも幸せだとは考えたこともなかった。

仕事はこれまで通り好きだし、同じようにやっている。私は私で変わっていないし、変わってもいる。幸せって案外身近なところにあって、案外お金がかからないものらしい。もうすぐ彼の誕生日。今年は、彼の好物をテーブルいっぱいに並べて、ケーキを焼いて、好きなお酒を準備して、家でゆっくり祝いたい。

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