でもその時感じたことは「男に触られるのは気持ち悪い」だけであって、「怖い」という感情はなかったそうだ。
「だから、痴漢にあう不快感を男性に想像させるのに『ゲイに痴漢されることを想像しろ』というのでは足りないと思う」というのが彼氏の弁。
「じゃあ、自分よりずっと大柄な、例えば身長2mぐらいある屈強そうな相手に痴漢されるって想像してもらうのもだめかな?」とたずねてみたら、
「大柄なぐらいじゃ多分それほど恐怖感は感じないだろうな。遮ればいいって思うし。両手を拘束された状態で首筋にナイフを突きつけられて抵抗したら死ぬって脅されながらゲイに触られてるっていう状況を想像するぐらいでちょうどいいんじゃない?」と言っていた。
「しかもそういう目に数年に一度ぐらい、多い人はもっと頻繁にあってるんだから女性は大変だよね」と彼氏は言う。
今まで付き合った彼女は私も含めてみんなそのぐらいの頻度で痴漢の被害にあっているそうだ。
これを聞いて、想像できるかどうかは「自分の身に起こり得ないからまともな想像力が働かない」のではなく、単純に情報量の問題なのかなと思った。
普段女性がどれだけ頻繁に痴漢被害にあっていて、その時どれだけ恐ろしい思いをしているかという情報が、伝わっていない男性が多いのかもしれない。
迂闊に被害にあったことを話すとそれ自体が相手の劣情を刺激することがあるからなかなか話せないものだけど、できるだけ実情を伝えていく方がいいのかもしれないと思った。
私自身も小学生高学年から2??3年に1度、痴漢被害に合っています。電車だったり、本屋だったり、歩道を歩いていたら通りすがりに触られたり。通学や通勤で電車を使わないのでこれでも少ない方だと思います。