■あてどなく、さまよう魂は自らの居場所を知らない
いつも円を描いて同じ場所にもどってくる。
ならば、そこが居場所なのかとたずねるも、どうにも承服しかねるのだ。
わたくしの居場所はここ以外のどこかであり、
わたくしは今も、その場所に向けて歩き続けている。
何度同じ言葉を吐いたことか。
その言葉に耳を傾けるものは眼前には居ない。
しかし、その言葉は明確な誰かに向けて発せられたことは間違いない。
それが誰かについても、おおよその検討はついているのだろう。
わたくしは必死になって走り、叫んだ。
「ママン、だっこ!」
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