「気質」は先天的に与えられたその人の特性で、一生変化しない。
残るは「環境」しかないんだから、人が自分の成る方向を選ぶためには、
いや、小さな環境選択は、幼い頃からたくさんある。
でもそれは、環境(≒親)によって形作られた人格に沿った選択なんだ。
小さい子は、自分で選択をしているようでいて、その実、
本当の選択は、自分自身の輪郭を、自分で認知できるようになった後。
その認知を、自分自身の行動にフィードバックさせられるようになった時に生じる。
自分を、より望ましい環境に投入し、より望ましい自分を獲得しようとする。
そのときに初めて、力を持った「選択肢」が生じてくる。
でもね、そのことに気付いて、目覚めた瞬間には、
だいぶ、選択肢が狭まってるんだよね。
俺の親は、俺の選択肢が少しでも減らないよう、必死で守ってくれていた。
俺は障碍気味で、「目覚める」まで人より多くの時間を要したのに。
今思えば、俺の選択肢は人より多かったんじゃないだろうか。
俺は、俺の親にとても感謝しているよ。