こんな暗い人生でも一度くらいは人を愛していいかと思って
部屋の窓を全部空けて 食って寝るだけの人生を一緒に過ごした空気を逃がして愛が入る場所と人間を確保しようとした
でも足りなかった よくよく考えてみれば空気だけではない いろいろなゴミとかも部屋にはあった
悔しかったけど 人を愛すためにはと思って 部屋を出て ゴミを燃やすところをさがしていた
ようやく見つけたそこは 家の外だったけど たまには風に当たるのもいいと思って ゴミを捨てた
しかし ゴミを捨てた後に気付いたことがある
愛が入る場所を作った その次が分からない どんなふうに愛を見つけて それをどうするか 分からなかった
涙目になった 見えない誰かに嘲笑われたときよりも ありもしない女の死を目撃したときよりも はやく
涙を乾かそうと思って 目を見開いたまま 走った
疲れたときには 乾くだろうと思ってたとけど そのときはそんなことも忘れて疲れても走った
なんで今こんなに必死に走っているのだろうと思った週間 この足はとまった それと同時に疲れた
女の声か男の声か分からないけど「恋に恋してる」と
恋は暗い道だ
疲れも忘れて走り去り 走るのをやめたとき 走り終えたとき 何のために走っていたのかを忘れている
そして走り終えたときに思い出すのは疲れを思い出す