http://zapanet.info/blog/item/1090
人と会う時は、その人の良いところを10個イメージしてから会いなさい
話を終えて、先生は続けました。
「では、実際にやってみましょう。誰から始めましょうか」
早速手が上がりました。クラスで一番の人気者のA君です。
「それでは、Z君のいいところを。毎日僕らにお金をもってきてくれること」
これをきっかけに、A君の友達がつぎつぎにZ君のいいところをあげていきます。
「たたき返さないこと」
「逆切れしないこと」
「それを先生に言わないこと」
「それを親に言わないこと」
「それでも学校に来ること」
「シカトしてもニコニコしていること」
「やったのは僕たちでも、捕まるのはZ君なこと」
「誰がやったのかを店に言わないこと」
「Z君に何をしても、先生がぼくらに何もしないこと」
それを聞いていた先生が、我が意を得たりばかりにうなずいて言いました。
「Z君のいいところが、これで10個あることがわかりました」
それを聞いて、Z君がおそるおそる発言を求めました。
先生はそれを無視して授業を始めようとしました。
そのとたん、Z君はどこから手に入れたのか、おもむろに拳銃を取り出して、A君をはじめとしてZ君のいいところをあげてくれた級友の頭を射抜きました。むせかえるような血と硝煙のにおいが漂う中、拳銃を先生に向けたまま、Z君はもう一度発言を求めました。
「Z、Z君、なんでしょうか?」
「ぼく、馬鹿だからみんなの良いところは一つしか思いつかない。それも一人一人違うんじゃなくて、みんなおんなじ。それでも、一つあるから言った方がいいよね」
「そ、それはなんですか?」
Z君は先生の頭を打ち抜いた後、こう続けました。
「もう死んでること」