2007-09-16

子供精神科の診察に連れてこられたときには、その子供は「見なし患

子供精神科の診察に連れてこられたときには、その子供は「見なし患者」と呼ばれるのが通例となっている。この「見なし患者」という名称を用いることによってわれわれ心理療法医は、その子が患者と呼ばれるようになったのは、両親やほかの人たちがそういうラベルを張ったからであって、治療の必要な人間はほかにいる、ということを言おうとしているのである。われわれがこうした名称を用いるようになったのは、子供が「患者」と見なされるにいたるまでの過程に疑いを抱くようになったからである。障害の診断を進めるうちに、その障害の源が当の子ども自身にではなくその子の両親、家族学校あるいは社会にある、ということを発見することが多い。もっと簡単な言い方をするならば、その子以上にその子の親のほうが病気だということが明らかになるのが普通である。親のほうは、矯正が必要なのは子供のほうだと考えているが、通常は、そう考えている親自身が矯正を必要としていることが多い。患者と呼ばれるべきは親のほうなのである。

(平気でうそをつく人たち―虚偽と邪悪心理学)の81ページより引用

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