おそらく自分も親に結婚の意志を打ち明けていたら、容赦なく叱責されていただろう。
二年前、俺が大学一年の時の彼女は30代後半で、親子でもあり得なくない歳の差の人と付き合っていた。
俺たち二人が手を繋いで歩いてたり、電車内で抱き合ったりキスしたりしてた光景は、かなり異様だったかもしれない。
俺は彼女のことが大好きだし、彼女も俺のことを好いてくれてるから、付き合い始めてしばらくすると同棲を始めた。
少しでも早く同じ屋根の下での暮らしを始めたかったので、一緒に部屋を探すなんていうじれったいことはできず、俺が彼女の部屋に転がり込んだ。
婚姻届を出すのも時間の問題だった。愛が芽生えれば、すぐにでも結婚していたはずだ。
そう、愛なんてありゃしなかった。全部性欲だった。射精する度に消えうせる夢・幻だった。
全てセックスが原因だ。アプローチをかけてくる彼女に、俺は拒否する理由もないので、流されるまま性運動を行った。
それまで俺の中でセックスとは、あまり楽しくないものだった。
その前に付き合っていた彼女とは、お互い初めてだったので、何回やっても上手くできない。
したいにも関わらず、しても満足感が得られない。快感が得られないのが、それまでのセックスだった。だが、彼女とのセックスは違った。
まず彼女は俺に舌を出すように要求すると、唇を俺の舌に吸い付つかせてきて、口内を何分も貪った。そんな刺激的なキスは初めてだった。
何をしていいかわからず動けない前の彼女とは違い、彼女は俺を気持ちよくするために積極的に動いた。
すごく気持ちよくて、脳が溶けるような思いだった。俺は彼女の虜になった。彼女と一緒にいたい、独り占めしたい、たくさんセックスしたい。
一日二回のオナニーで発散していた性欲が全て彼女に向けられた。彼女もそれに答えてくれた。
俺は友達と遊ぶ回数が極端に減り、毎日彼女の帰りを待った。彼女の仕事が休みの日は、俺も大学に行かずに、一日中裸体で過ごした。
セックスだけじゃなく、経済的な面も彼女に依存していた。生活費・食費は彼女が払ってくれる。
そんな生活も半年とちょっとで終わった。
そんな爛れた生活を夢想した日々もありました