2007-06-05

低学年的

幼い少年のこいでいる自転車にはサイドミラーがついていた。安全上の理由から取り付けているのであれば問題はない。

だが、彼の自転車についているサイドミラーは、本来つけるべき位置から水平に180°回転させた位置にあり、反射鏡がちょうど正面を向いていた。

ボクは彼とちょうど踏み切りをはさんで30mほど離れた位置で歩いていた。地形は踏み切りを底にしたすり鉢状になっており、距離が縮まったとしても太陽光がサイドミラーで反射され、ボクの眼球に当たる。

「なんかまぶしいと思ったらあの自転車か。」

「どうしたの?」

「鏡か何かが反射してる。」

「オレ背が高いから当たらないや。」

「お前、オレと同じ身長だろ。」

目の前に手のひらをかざして反射光をさえぎる。

「あ、石だ。」

いちいちとうるさい。

少年がボクの横を通り過ぎた瞬間に思い切り手を上げ、後頭部に当てた。

友人の肩が震えた。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん