この小説、今まで読んだ小説の中で最高に自分のためになった小説だと思う。「心の実在を証明せよ」と問いかけてくる精霊に、二人の女性が挑んでいく話。
いろいろと自信がなくって人のこと疑ってばかりでそんな自分に自己嫌悪して、そんな自分にこの小説のヒロイン二人は道を示してくれた。
疑いながら信じる道こそが本当に信じることなのだということ。自分の言葉はきっと誰かに伝わるということ。言葉を受け取ることは愛を受け取ることなんだということ。
小心者の私に、そんな道があるのだという希望を持たせてくれた。
この話に含まれているメタファはとても複雑で、未だに全部把握しきれていない。話だってとても重たい。ヒロイン二人が背負ったものは本当に重たくて、それなのに彼女らは救われていいのかとか思ったりもする。
けれども、この話が好き。大好き。